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第6 被災者・地元会との連帯(2)

3 地元会への配慮

災害における他県支援にあたっては、地元会に対する配慮が必要であることはいうまでもありません。実際に当会が行った配慮は以下のとおりです。

(1) 手続、形式の履践

上記のとおり、当会では支援規則が定められており、地元会の支援要請をいただいてから、それに応じて支援する、という建て付けになっています。したがって、当会としてそのような手続を踏む必要があることはいうまでもありません。

また、地元会には地元会のルールがある。これについても支援会としては徹底的に遵守すべきはいうまでもないことであり、当会として、今回の福島県弁護士会編負支援に際しても最も重視し、配慮した点です。万が一にも相互間で誤解が生じるようなことがあってはなりません。特に、支援会側の取得した情報はすべて地元会に開示し、地元会における将来の被災者支援活動に役立てていただくとのスタンスが重要であると考えていました。

(2) 地元とのコミュニケーション

地元会とのコミュニケーションも、連携に際して重視した点です。今回たまたま福島県弁護士会の新年度副会長のお一人がかつて新潟で修習されてご親戚も新潟におられたという縁で震災直後に新潟県内に避難されてきており、その先生をかなめに、新潟会と福島会とでは、比較的早期からコミュニケーションを取り合っていました。

また、支援の開始に先立っては4月2日、9日の2回にわたり、新潟会から連携班のメンバーが福島会の災害対策本部の主要な先生方とお会いし、支援の方向性について意見交換を行ったところです。

(3) 実質的配慮

以上(1)、(2)のような、いわば形式的配慮のほかに、新潟県弁護士会としては、地元会、特に4月16日以降主要な支援の舞台となった会津支部への実質的配慮として、以下のような点に留意してきました。

① 被災者に対しては、福島県弁護士会の要請に基づく支援であることを明確にすること。特に、「福島県弁護士会も頑張っていますが、人手が足りないので隣県から支援に来ています」というように述べて、地元会の立場を尊重する(メンツをつぶさない)ようにすること

② 地元会に対して、コーディネート、アテンド等の負担を一切かけないこと(上記の「自己完結型支援」)

③ 相談活動を得て取得した情報の福島会への還元

④ 新潟会の作成する配布物には、新潟会だけでなく、福島会の情報もできるだけ載せるように努めたこと

⑤ 新潟会の活動を通じて得た知見(成功体験、失敗体験)も情報として福島会にも知ってもらうよう努めたこと

4 地元会との精神的紐帯

全国で、被災地元単位会と支援会との関係で問題になるところがあろうかと思われます。被災会側には、こんなことまで頼んでいいのだろうかという遠慮や、あまり自分たちの県内によその弁護士が入り込んできてほしくないとの思いもあるであろうし、支援会側としては、余計なおせっかいになるのではなかろうかという懸念をもつこともあるでしょう。

人間と人間との相互の関係である以上、そうした微妙な配慮や場合によっては軋轢に至る要素というものは避けられません。

軋轢が現実化するのを回避することを優先させるならば、まずはじめに完璧な相互理解を形成してしかるのちにおもむろに支援に赴く、という手順が考えられうるところですが、しかし、今回の震災は、被災の規模、問題の深刻さ、問題の永続性への懸念など、即時対応の必要性が極めて高いものであったことは明らかです。

連携班が選択したのは、まず支援あり、しかるのちに相互理解に至ることをめざす、という道筋でした。